マリリン・モンロー A-Z
AUTOPSY(1) 検死
「亡くなっても、モンローはとても綺麗でした。いつになく私は緊張していま
した」
マリリン・モンローの検死は、1962年8月5日(日)、午前10時30分 に行われた。
ロス郡裁判所にある死体解剖室の1号解剖台の上にマリリンは置かれていた。
執刀は日本人のトーマス野口博士である。
「これをしくじったら、たいへんなことになる」
野口は検死局に入って2年目の副監察医である。 エディ・デイが野口の補佐に当たった。以下は野口の解剖所見である。
「外形所見」
防腐未処置の遺体は年齢36歳。体格・良、栄養状態・良好、白人女性。
体重53キロ、身長162・5センチ。頭髪は脱色したブロンド、眼はブルー。
顔、首、胸、上腕部、右腹部は濃い鉛色に変色。背中、腕および脚の裏側は
圧迫によるかすかな鉛色の消滅のあとが見られる。
左の臀部および、背部下部の左側にかけてわずかな斑状出血を認む。胸には とくに損傷は見られない。
恥骨上部に5インチの外科的傷痕。
結膜の充血は際立って著しいが、点状出血は見られない。 鼻は損傷なし。
頭部、額、頬、唇、顎には外傷なし。手、爪ともに外傷なし。 下肢に外傷なし。
「体腔」
通常のY形のへこみ。内臓は正常の位置。
「循環器」 心臓は300グラム。冠状動脈は位置、分布ともに正常。
「呼吸器」 右肺465グラム、左肺420グラム。
「肝・胆臓器」 肝臓は1890グラム。表面は黒みがかった茶色。 肝臓の多重部に、小葉状組織がわずかに認められるが、出血の痕跡はない。
















