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  MADONNA(マドンナ)

    伝説的人物は生きている。新しい人物として戻ってくるのだ。
(『エスクワイア』誌1986年3月号)

   60年代そして70年代初頭のマリリン・モンローにもっとも近い存在がアン・ マーグレットだとすれば、80年代のマリリン・モンローはマドンナである。

「(二人を比較することは)マリリンのファンである私たちには、バカバカし く、腹立たしいことです・・・マリリンは真に美しい女性、ところがマドンナ はビューティ・コンテストで優勝するためならソビエト以外のどんなところへ でも押しかけていく、たぶん」(『ロサンゼルス・タイムズ』1986年7月)

 この投稿欄にマリリンの伝記作家であるモーリス・ゾロトフが自身の見解と してこう答えている。
「・・・モンローの伝記作家として最初の、そしておそらく最高の、また個人 的にもモンローをよく知る人間として、二人を比較することはそれほど間違っ ているとは思わない。スクリーン上のモンローに、マドンナはある種、類似し ており、女優という点では、マドンナはモンローをしのぐところもある」

 マドンナ・ルイーズ・チッコーネは1980年代の類まれなポップアーティスト である。音楽ヴィデオで、またデビュー映画『マドンナのスーザンを探して』 (1985)で、マドンナはカメラの前でセクシーで、滑稽な嬌態を演じ、信じら れないほどの目だった存在としてスクリーンに登場した。それは1960年代初頭 以来、私たちが目にすることのなかったものだ。

 卓越したユーモアのセンスを併せ持った『マテリアル・ガール』のヴィデオ のマドンナは『紳士は金髪がお好き』のマリリンを彷彿とさせた。マドンナはみごと にやってのけた。咲き乱れんばかりのステージ、そしてスクリーンでのマリリ ンを踏襲しようとした女優たちの中で、人をひきつけてやまないモンローの魅 力にもっとも近づいていたのはマドンナである。

 マリリンとマドンナの類似点は他にもたくさんある。ともにモデル出身であ り”トップ”になるために男たちを利用したのだという非難を浴びてきた。そ れぞれの分野で偉大なる男と結婚した(野球のディマジオ、劇作家のアーサー ・ミラー、映画のペン)。

 無名で貧しい時代、ヌードになった。のちにその写真が世に出たときには一 大センセーションを巻き起こした。二人ともカメラの前に立つことが大好きで、 自信たっぷりで被写体となる。あらゆる分野で非凡なる才能を発揮した。

 マドンナがマリリン・モンローを崇拝しつつ成長してきたことは驚くことで はない。マドンナを見れば分かる。マリリンのキャリアをしっかりと学びとっ てきた。マリリンはさぞかし誇りに思っていることだろう。


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