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聖林百話

11話.妻の取り分

 ロサンゼルスの破産裁判所に現れたアンナ・ニコル・スミス、31歳は、ラインストーンをちりばめたサングラス、深紅の口紅で笑みをたたえててはいたが、その顔は蒼白だった。
 付添っていたのは13歳の息子ダニエルと弁護士。ウエイトレス、モデル、そして女優へと転身した末、26歳で結婚した相手は、車椅子の石油王、テキサスのJ.ハワード・マーシャル氏、89歳。4年前の8月に彼が肺炎で亡くなってから、子息のE.ピアス.マーシャル氏は醜い諍いに凝り固まっている。ピアス氏はすでに、未亡人への5,0000ドルの支払を打ち切っているが、テキサス洲サイプリスの100万ドルの土地の所有権を彼女に与えないよう巧みに裏工作をはかってきた。
 土地を追われ、息子とともにロサンゼルス郊外の小さなアパートメントに移った未亡人は、訴訟を起こし、16億3700万ドルを請求した。これが認められると、彼女は大富豪の仲間入りをすることになるが、ピアス氏はそんなことはさせない意気込みだ。幸運にも巨万の富を得ることができるれば、50年代のマリリン。モンローのような映画をつくりたいと未亡人は語っている。

「People」 NO.15 1999

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