25.カーリーフィオリーナ

カーリー・フィオリーナなんて怖くない
HP(ヒューレット・パッカード)社長&CEO(経営最高責任者)のカーリー・フィオリーナ(五〇歳)は 「ビジネス界最強の女性」と畏怖の念を抱かれている。一九九九年七月にHPのCEOに就任、驚くべき スピードで改革を進めてきた。HPは「HPウエイ」と呼ばれ、実力だけがものをいうアメリカの企業の 中では特殊で、いわば日本的な風土を持つ会社だった。社員同士の「信頼や和」を重んじるあまり、 インターネット時代の変化に遅れをとっていた。そこで彼女はどんな改革をしたのか。フィオリーナ はカーラ・カールトン・スニードとして一九五四年、テキサス州に生まれた。「ガーナの憲法学者だ った父の勤務の関係で三大陸で暮らし、五つの学校にかよった」(『私はあきらめない』アーティス ト・ハウス刊)。スタンフォード大学では中世史と哲学を専攻。メリーランド大学のビジネススクー ルを卒業後、AT&Tに入社。彼女が注目されたのは、AT&Tから通信機器事業を分離し、新会社ルーセン ト・テクノロジーを興し、株式公開したときだ。「恐れを知らない女性」はHPのCEOとして最大のライ バル、コンパックとの合併を成功させた。合併の一年後には、従業員や経費大幅削減にもかかわらず 、サーバ、プリンタ、パソコンの主要製品分野でシェアを拡大させたのだ。さて、フィオリーナが静 かなオフを過ごすときに聴く好きな音楽がある。作曲家は? ベートーベン。「ベートーベンの音楽 は情熱と苦しみに満ちている。音楽を聴けばいかに苦闘のすえに目標にたどりついたかがわかる」。 カーリー・フィオリーナという名前は二度目の結婚のときから使い始めた。二人の子の母でもある多 忙な妻のために夫は「主夫」を務めている。どんな母や妻の顔を見せるのだろうか。政界入りも噂さ れている。アメリカ初の女性大統領の座をヒラリー・クリントンと争う?

2004/12/4 フジサンケイ ビジネス・アイ