夢が実現する手帳活用法

GMO(グローバルメディアオンライン)会長兼社長の熊谷正寿(四一歳)は「ニッポンのインターネット部」 を標榜する。一九九九年、三十六歳でジャスダックに上場。二〇〇四年二月には東証二部に上場を果たした。 それを可能にしたのは二十一歳のときから書き続けた手帳だ。一番大事なことは何かを考える。「考えたら、 それ以外やらない」。人間は自己を強く律しないと余計なことをやる。「手帳はスケジュール管理だけでなく、 自分の人生、夢を実現させるためにある」。夢を書き出し、優先順位をつけてスケジュールを書く。自分自身 を戒める言葉も書くことが大切。「絶えず反復して、自分に言い聞かせる」。手帳は書くよりも整理する時 間のほうが大事だと熊谷は教える。「必ず、土日は何時間か頭の整理にあてる。手帳の中身は脳の中身でも ある」。さて、熊谷の父方の祖母は江戸四大道場の出だが、何流か?心形(しんぎょう)刀(とう)流の伊庭(い ば)八郎、幕末の美剣士といわれた。心形刀流は、とりわけ精神面を重視することで知られる。熊谷は血筋を 引いている。「持久力と集中力はありますね」。十年でも二〇年でも同じことを持続できる強靭な精神力が ある。熊谷の夢は「インターネットのインフラ、サービスインフラ、場にかかわる事業で圧倒的な一番にな る」ことだ。柔らかな物腰とは違い、激しい性格だと自分でも認める。「幸せのバロメーターは笑顔。間違 ったこと、みんなが笑顔になれないことがあればテーブルをひっくり返して怒ることも」。正しいことのた めに怒る。五十五年計画を立てた熊谷は夢に向って突き進んでいる。売上げ十兆円、経常利益一兆円、従業 員数二十万人の会社を目指す。「ナンバーワンでないとみんなが笑顔になれない」。会社の経営で大切なの は夢をはっきりさせることだ。夢は必ずかなう。熊谷は大きく膨らんだバイブルサイズの手帳を片時も離さな い。=文中敬称略(「サンケイ・ビジネス・アイ」2004年12月25日付)

2004/12/25 フジサンケイ ビジネス・アイ