21.空飛ぶ修道士

 ジュゼッペ・デサは、1603年、イタリアのある小さな町で生まれた。の ちに聖ジョセフ・オヴ・クペルティーノとなるこの男は『空飛ぶ修道士』とし て有名だった。
 キリストと同じように、ジュゼッペも大工を父とし、馬小屋で産声をあげた。  子どもの頃、ジュゼッペは口を半開きにして身体を硬直させることがたびた びあった。ハエが口の中に入ったり、眼球に止まったりしても、払いのけるこ とをしなかった。級友たちは『オープン・マウス』とあだ名をつけた。  ところが、1628年に聖職につくと、ある技で人びとをあっと言わせるよ うになった。
 その芸当を見守っていた尼僧たちは、ジュゼッペが火のついたロウソクの連 なる祭壇をジャンプ台にしようとしたとき、怪我をするのではないかと怖れた。  またあるときは、そばで羊飼いが吹く笛に霊感を受けて、20ヤードも空を 飛んだ。
高熱のために亡くなった100年後の1767年、『空飛ぶ修道士』は聖人に 列せられた。