22.ロジャー・ウイリアムズを食べた木

 17世紀のアメリカで活躍したイギリス人聖職者、ロジャー・ウイリアムズ の遺体は木に食べられていた。
 ウイリアムズは1683年に亡くなると、自宅裏庭の粗末な墓に埋葬された。56 年後、近くの墓で作業していた男が、たまたまこの聖職者の棺を壊し、その骨 を掘り出してしまった。1860年、ウイリアムズの子孫スティーヴン・ランドー ルは、ロードアイランドのプロヴィデンスから残りの骨をもっとふさわしい墓 に移そうと考えた。ところが、作業にあたった者たちが掘り起こしてみると、 朽ちた棺の板切れと錆付いた釘しかなかった。骨はなくなっていた。
 さらに、奇妙なものを目にした。骨があるはずのまさにその場所には、かた わらのリンゴの木から根が蔓延(はびこ)っていた。そして、それは頭から足の 先までウイリアムズの身体の形を描き出していた。その根は延びてきたとき、 ウイリアムズの頭蓋骨でとまり、頭、背骨、腰、脚の輪郭をつたいながら身体 の形を作り出したのだ。
 遺体そのものはなくなっていた。根を通して吸い取られていた。リンゴの木 がロジャー・ウイリアムズを食べてしまったのだ。
 人間の形をしたリンゴの木の根は保存のために移され、今日、プロヴィデン スにあるロードアイランド歴史協会で展示されている。